観音様の制作☆
少し前のブログにも書きました、観音様の制作がようやく終え、納品できました(^^)
今回も制作にあたり、少し変わったエピソードがありました。
今回のご依頼は、お客さんのお孫さんへの節句のプレゼントとしてでした。
そのプレゼントがなぜ、観音様なのか?ということですが、
今回の観音様は、狩野芳崖が描いた悲母観音という作品の模写でした。
お孫さんが生まれる前、お客さん(以下Mさん)の娘さんは、ひどく出産に対して悩まれていて、
その不安がなかなか晴れる事がありませんでした。
Mさんもなんとか、励ましてあげたいのだけれど、、と大変悩まれていたそうです。
そして、とある日
滋賀県にあるミホミュージアムという美術館にお客さんがたまたま行かれた時に、
この狩野芳崖が描いた悲母観音を、川島織物という会社が織物にして再現した作品が飾られていたのです。
その絵を見た瞬間に、Mさんは涙が止まらなかったそうです。
「このタイミングで、この絵と出会ったってことは、きっと神様が大丈夫だよって言ってくれているような気がして、、、」
Mさんは、その時のことをこうように語られていました。
そして、無事に出産を終えて、今回のご依頼を頂きました。
狩野芳崖絶筆の悲母観音。
狩野芳崖もお孫さんに向けた作品だったと本を読んで知りました。
これが今回描かせて頂いた作品です。
今回は、油絵で描いてほしいということで、サイズはM6号なので、
このサイズに合わせて構成させて頂きました。
お客さんより、赤ちゃんの顔をお孫さんの顔にして欲しいという希望があったので、
この部分はお孫さんの顔に変えさせて頂きました。
去年の個展の後に、観音様を描いてみたいと思ったことが、今回このようなカタチで
描かせて頂けるとは思ってもみませんでした。
本当に、心から感謝致します。
しかし、本当に観音様を描くのは恐れ多いというか、軽い気持ちでは取り組めなかったので、
図書館で「仏を描く」という本を借りて読み、
描く前に両手を洗い、口をゆすいだ後に、手を合わせて
制作に入っていました。(^^)
以前仕事で関わらせて頂いた、仏師の方から頂いた漆塗りのパレットを使い、
筆にも出来るだけ気をつけたりと、
とても作り手としても磨かれたように思います。
この絵が、Mさんの家に、お孫さんに、幸福をもたらします様に。
ありがとうございました。
2010.8.11 kenta yoshiga
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